EAMES VEST
- イームス ベスト -
部位によって中綿の種類を変えた、軽さと保温性のバランスに優れたインサレーションベストです。
蒸れやすい背面と脇下は通気性抜群の超軽量繊維「Octa」を配置。冷えやすい前身頃と肩にはシート状で厚みのある中綿「VIVO」を使用する事で、お腹が弱いハイカーでも不安なく着用出来るアクティブインサレーションベストを目指しました。VIVOは無数のドットを設ける事で、通常のシート状の中綿よりも通気性を向上させることに成功し、動きが伴う登山にも適した素材です。
そんな妥協のない中綿の選択ながら、表地は軽量で若干の伸縮性のあるクリスピーナイロンを使用し、重量はMサイズで190g。最低限の軽量性もクリアしたアイテムです。唯一の注意点は、あくまでも”行動着”なのでバックパックを背負っていない時や普段使いのシーンでは背中側が若干寒く感じる場合もございます。
もちろん街使いも意識したシルエット、ラウンドネックを採用して普段着との親和性も高めました。山から街まで幅広く使用してもらいたい一着です。
〜 Octaを脇役にするという選択 〜
ハイク界における”中綿”は新時代に突入した。「Octa」や「POLARTEC Alpha」などの超軽量ポリエステル中空糸の登場が全ての常識を覆したのだ。登山系アパレルを始めるのであればとりあえず商品化を考えたくなる魅力しかない素材である。とにかく抜け感の良さは抜群で蒸れ知らず。しかも外からの風をシャットアウトすれば見た目以上の保温性を発揮する。そしてべらぼうに軽い。その特性を活かして、しっかり表地を合わせたモデルから剥き出しのブースターやアウターモデルまで。様々なシーンでの活躍が間違いないアイテムが各メーカーから登場している。軽さの追求やよりアクティブに動く人たちにはそれが正解だ。しかし、その抜け感の良さから生じるひとつの不安を拭い切れない私がいた。「果たして、OPPハイカーは耐えられるのだろうか。」その事である。アクティブインサレーションとしてのその最高のパフォーマンスは、逆にお腹が弱い(OPP)ハイカーのどこまでを許容できるのか。そんな事を考え始めると夜しか眠れない日々が続いた。
そこで考えたのが中綿ハイブリット。しかも”主役級”の高機能を誇るOctaを”脇役”にするという選択。こんな贅沢な使用を考えたメーカーはまだいないのではないだろうか。これもまたNrucらしいアプローチ。もちろんそれが出来るのは「VIVO」という”主役”になれる優れた中綿がいるから。是非このシリーズは幅を広げたい。ベストが受け入れられればもちろんジャケットにもチャレンジする。
さて、話は戻って、このOctaやAlpha Directあたりは本当にこれまでの常識を覆している素材だ。かくいう私も別メーカーさんのタイツやミッドレイヤーを愛用している。タイツは特に最高だ。冬季登山は他のインナー系タイツの出番が無くなるだろう。よりアクティブなユーザー向けに、ちゃんと”主役”にした剥き出し系アイテムはいつかNrucでも作りたい。ただ、今は名品があり過ぎて全て二番煎じでしかないので、熱りが冷めた頃にシレ〜ッとローンチしているかもしれない。まあ、その日はそう遠くないだろう。